アトピー性皮膚炎はアレルギー、細菌感染症、ストレス等の色々な原因がありますので、それぞれを改善する治療が必要です。単なる対処療法では一時しのぎです。
アレルギーは検査をしてアレルギーの原因(アレルゲンといいます)を見つけ、それが症状の悪化因子となっていることを理解し、除去することが大切です。細菌感染症は皮膚の細菌培養をして細菌を検出し、その細菌に効果のある抗生剤を内服して治療します。ストレスはまず何がストレスを見つけそれに対応します。
1)アレルギー
チョコレートが好きな方がいましたが、検査でチョコレートがアレルゲンとわかりました。この方はチョコレートを食べてもじんましん等は出ていませんでしたが、アトピー性皮膚炎の悪化因子となっていました。他の治療と共にチョコレートをやめて症状は改善しました。
2)細菌感染症
ステロイドやプロトピックを塗布しても改善しない方がいました。この方はMRSA(抗生物質耐性の黄色ブドウ球菌)によるとびひ状態と思い、皮膚の細菌培養をしました。そして他の治療と併用してMRSAに効果のある抗生剤の内服を投与しました。結果はやはりMRSAで、抗生剤の効果があり改善しました。
3)ストレス
夜更かしして朝も起きるのが遅い方がいました。この方はアレルギーもそんなに強くなく、細菌感染症もひどくありませんでした。しかしアトピー性皮膚炎の症状は改善していませんでした。治療をしながら、夜更かしをやめて早寝早起きをしてアトピー性皮膚炎は著明に改善しました。この方は夜更かしがストレスになっていたわけです。
このように、アトピー性皮膚炎は総合的な治療が必要です。アレルギーの検査、皮膚の細菌培養、ストレスの発見は有用です。適切な治療をして、アトピー性皮膚炎を改善してください。
【過去の院長ブログより】