Monthly Archives: 6月 2018

迷う時には相談して希望を

 アトピー性皮膚炎では長期の治療が必要です。
特にステロイドを使用していて中止によりリバウンドを起こした場合、痒みが強く不眠で困っている場合、細菌感染症や単純ヘルペス感染症を繰り返す場合、等、改善と悪化を繰り返すことがあります。
しかし、次第に改善が悪化より多くなり、回復に向かいます。


 そういう時に大切なのは希望です。特に今は情報が氾濫していて、ステロイドの利点だけを伝える情報もあります。しかしステロイドは一時しのぎの薬です。長期塗布では色々な副作用が出ます。
私は、アトピー性皮膚炎の治療では、患者―医師の信頼関係が非常に大切で、協力して一緒に治療するというスタンスで診療しています。
そして、私の経験から希望を与えられるような情報をお伝えしています。


更に、当クリニックでは、素晴らしいスタッフの方々がチームワークで診療を支えてくれます。
これは病院勤務ではなかなか難しく、クリニックでの診療の大きな利点で、スタッフの方々に感謝する日々です。
私はできるだけ詳細に説明してはおりますが、診療後も待合室でスタッフの方々が患者さん達に色々なアドバイスをして、患者さんをサポートしてくれています。


 実例:小児の方でステロイド中止後のリバウンドで受診されました。全身のリバウンドで、痒みも非常に強く、夜も不眠でした。細菌感染症も合併していて、浸出液で全身がじくじくでした。当クリニックの治療で改善は見られましたが、全身のひっかき傷も多く、かゆみと夜間の不眠は続き、ご両親が非常に疲れて、一時的にステロイドを使用を希望されました。

 私はもちろん詳細に説明してステロイドを使用しないようにアドバイスしました。しかし、ご両親が今の辛さから一時的にも開放されたいという気持ちも強く、迷う日々でした。そういう時、スタッフの方々がご両親に色々アドバイスして下さり、ご両親は希望を持つことができ、結局ステロイドを使用せずに、お子さんは約1年後には著明に改善されました。

【過去の院長ブログより】

細菌培養の重要性

 当クリニックでは細菌培養をしてアトピー性皮膚炎の患部にいる細菌を同定します。この検査は皮膚を軽くこするだけで痛みもなく簡単にできます。
アトピー性皮膚炎は細菌感染症で悪化しますので、細菌を同定するのは非常に重要です。この検査をしないと、細菌の種類がわからず効果のない抗生剤を投与することもあり、その場合は症状は改善しません。

 アトピー性皮膚炎に明らかにとびひ状態(細菌感染症が広がった状態)が合併していても、ステロイドやプロトピックによる治療がされています。ステロイドもプロトピックも免疫抑制剤ですので細菌感染症は悪化します。このことが理解されていません。内服の抗生剤が投与される場合もありますが、ステロイドやプロトピックが併用されて塗布されていますのでなかなか改善されません。

そういう状態の方々が当クリニックには多く受診されます。細菌培養をして、効果のあると思われる内服の抗生剤を投与します。すぐ投与するのは細菌培養の結果が出るのに数日かかりますので、それを待っていては状態が悪化するからです。
 更に当クリニックでのアトピー性皮膚炎の治療としての、内服の抗アレルギー薬と抗ヒスタミン剤(かゆみどめ)と、外用の消毒液と抗菌剤を使用し、患部をリント布(皮膚を保護する布)でカバーすることで改善します。

実例:色々な医療機関を受診してアトピー性皮膚炎が改善されない方が受診されました。症状からMRSA(抗生剤耐性の黄色ブドウ球菌)による感染症の合併と思い、細菌培養をしましてMRSAに効果のある内服の抗生剤を投与しました。同時に前述の当クリニックの内服と外用治療をしました。細菌培養の結果はやはりMRSAでした。そしてその後治癒されました。今まで一度も細菌培養をしていないのでMRSAとわからず、有効な治療がされていなかったわけです。

 

 実例のようにアトピー性皮膚炎が改善しない場合は細菌培養をしてください。そしてその細菌を撲滅する適切な治療をしてアトピー性皮膚炎を改善させてください。

【過去の院長ブログより】

 過去にステロイドの塗布や内服に加えてアトピー性皮膚炎治療剤として認可されています劇薬プロトピック軟膏(タクロリムス)を併用したが改善せず、ステロイドやプロトピックの長期使用から副作用も加わり悪化の道をたどり、それらの免疫抑制剤の離脱を希望される患者さんの来院が特に増えています。
プロトピックについては日本での1999年発売から早期に海外の文献にて発がん性があることをリサーチし木俣院長はアトピー性皮膚炎への治療にステロイド・プロトピックの使用の危険性を長年警告してきました。
お薬には必ず効能・効果だけではなく用法容量、禁忌、副作用など注意書きがあります。
医師も薬剤師も薬品の添付文書の記載を理解し、数々の危険性、禁忌(使用してはならない事)についてこれらの情報について患者に説明し、理解したうえで処方する事と特にプロトピックについては『警告』欄に記載されています。
また『禁忌』『原則禁忌』についても添付しております資料を読んでいただき副作用について知っていただきたいです。
リンパ腫、皮膚がんのリスク極めて深刻です。
また塗布により血中濃度が上がるため腎障害を起こす可能性が高いため、重要な基本的注意という欄にあるプロトピック使用開始時期から2~4週間後に腎機能検査が必要とあり異常が認められた場合直ちに使用を中止し、腎障害に対し適切な処置を行う事とあります。プロトピック使用歴のある患者さんへの問診の際にいつも伺いますが、リンパ腫・皮膚癌のリスクを知ったうえで使用してきた方、腎機能検査の実施をされてきた方は皆無です。
実際には小児科や皮膚科で2歳以下にも処方され危険にさらされている赤ちゃんの来院が後を絶ちません。妊婦や授乳婦にも禁忌とされています。感染症にも原則禁忌です。

当院では細菌培養検査を実施していますが、来院者9割以上が表皮において菌のバランスを崩され細菌性感染症をアトピー性皮膚炎に合併されています。
また用法・用量欄には2週間以内に皮疹の改善が認められない場合は使用中止する事。また漠然と長期使用しない事。年齢体重別の1回の塗布上限量、2回塗布する場合は12時間明ける等注意があります。

患者さんは危険を聞かされず、知らずに使用を続けておられてきた方がほとんどです。
マウスでは試験動物すべてに皮膚腫瘍発生リンパ腫の増加。ラットでは精子数の減少運動機能の低下など副作用があらわれました。
ステロイドやプロトピックを安全に離脱するためには必ず専門医にかかっていただきたいです。
必ずつらい離脱症状は終わります。希望をもって根本治療をお受けください。
当院ではアトピー性皮膚炎の治療にステロイドやプロトピックは必要ないと判断し保湿剤においても一切使用せず根本治療をしていますhttp://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00060491.pdf