【浸出液その正体は・・・】

傷を修復するための細胞の集まりです。「炎症によってカラダに傷が付いたから治すぞ!」という人間の防衛本能です。
浸出液には、組織の修復と再生に必要な成分が存在しますので、傷を早く治すには、創傷面がこの浸出液に覆われた状態に保たれることが必要になります。
例えば転倒し、膝小僧を擦りむいた傷からジクジクと液が出てきたという経験がありますね?その液の事です。

体が傷を治そうとして「浸出液」を出しているということは、「アトピーだから汁まみれ」ではなく、アトピーによる炎症のせいで傷だらけなので汁が多く出ている状態といえます。

特にステロイドや保湿剤などの塗り薬をやめた後、いわゆる「脱〇〇」の時期に多くみられるリバウンド症状の時には、炎症がひどくなり、浸出液も増える傾向にあります。

アトピー性皮膚炎という症状の差はあっても、長らく塗布してきたステロイドやプロトピック、保湿剤による免疫低下、機能不全これこそがアトピー性皮膚炎を治りにくくしている原因だと思います。

肌は排出器官
インターネット等で目にする情報の一つに「汁がとまらない=毒素(ステロイド?)を排出している状態」という説を見かけましたが、この表現には少し疑問を持っています。

肌からは発汗が起こり、皮脂が出たりしますから「排出器官」ではあると思いますが、浸出液の成分を調べた方がいます。正体は血管からもれて出てきた、血液成分のうち、水やタンパク質(グロブリン、アルブミン、フィブリノーゲン)などの血漿です。やや黄色みを帯びた中性の液体だそうです。

また黄色く色がついていたり,においがあったり、粘りがある場合などはブドウ球菌などの細菌感染を起こしている場合がほとんどです。
木俣先生は、感染症の有無を細菌培養検査により判定します。綿棒でこするだけの簡単な検査です。

浸出液の正体が何であれ、患者さんはいったいどうしてこんなに不愉快な汁に悩まされなければならないんだ、ひどい痒みや痛みどうしたらいいのだろうと苦悩の日々を送られています。

 ステロイドの長期使用で、皮膚は薄く弱くなっていますので、かきむしると皮膚の炎症がひどくなりますしリバウンドが起こった場合には、なおさら症状が強く出てしまいます。かきむしることで、皮膚の下の炎症反応が高まり、ヒスタミンなどのかゆみ成分が増えてきます。

その際に、生体反応で出来た体液が皮膚の破れたところから出てくるのです。また、かきむしって皮膚が厚くなっているところがひび割れることもあり、
そちらからリンパ液が出てくることもあります。
浸出液が出ている間は皮膚がない、ずる向け状態ということになります。

そこにはバリアがなく細菌やウィルスも付きやすく、アレルゲンに対しても経皮感作しやすい状態ですから感染症や炎症、強いかゆみが起こりやすくなっています。
そのような敏感な時期に治療に必要なスキンケアとして提案があります。

それは天然の抗菌力のある竹ガーゼです。肌に直接竹ガーゼを貼付することにより病原菌から敏感な肌をバリアし、感染症や浸出液の発生がとどまり改善に向かうからです。竹ガーゼの持つ抗菌力は素晴らしく毎日の当院の臨床において良い結果を得ることができておりますし、貴社による黄色ブドウ球菌MRSAに対する殺菌効果も確認されております。

 皮膚表面の菌のバランス、バリア機能が整うことが、アトピー性皮膚炎の改善への重要なポイントです。辛い症状に寄り添いきちんとした働きを持つ竹ガーゼは、快癒へと導く助けとなっていると患者さんを通して確信を持てています。
辛い離脱時のケアに従来からのリント布や竹ガーゼをお役立て下さい。

木俣先生が傷や症状のある所にはカバーして保護してください。との指導には、上記のような感染症や浸出液、肌を掻き壊さないことなど理由があります。

効果的な巻き方については、どうぞスタッフまでお声掛けください。今回は浸出液についてお伝えしました。